2012年10月12日
さらば幻の村
声をかけると、おばあさんは実ににこやかに笑顔で話してくれました。推定85歳ほどの方ですが、シャキンと腰が伸び、まっすぐ。足取りも実に軽く、健康的です。その昔、山の反対側の保育園まで歩いて行っていたそうです。足腰が元気なわけです。いまの若い人達ではかないませんね。こちらも驚きましたが、シーカヤックを漕いで海から来た自分にも驚かれました。話によれば、かつてもっとたくさん家があって人が住んでいたとのこと。そして一軒、また一軒と、集落民は利便性の良い内部に移っていったそうです。最後の人達がさって数十年。おばあさんはヤギや牛がいるため、独り離れられないのです。

残された最後の家。
人知れず山からの水が海へ流れる。
「ところで牛はどこですか?」と唐突に聞いてみました。海岸にいないなら車道にいるそうです。僕はさっそく放し飼いの牛探索に向かいました。青久へは実は車で降りてこられるのです。といってもガタガタな道で、できれば4WDでいきたいような道です。そこを歩いてずんずん進んでいきます。
なにやら懐かしくて仕方がない山の光景
ほんとうにこんなに遠くまで歩いてくるのか。不思議に思っていると、牛糞が道に。それもどんどん新しくなっています。いる、やつらはこの先に。

そして5分くらい歩いてあるカーブを曲がった時、突然いました! 牛です。 まあ、ただの牛ですが、なんか感動してしまいました。放し飼いというシチュエーションのせいか、すごくワイルドに感じます。珍しい動物でも発見したような気分です。

近づこうとしましたが、はっとしてストップ。そう、自分は真っ赤なTシャツを着ていたのです。闘牛が赤マントに猛進する光景を思い出し、足が止まったのです。大丈夫とは思いますが念のため。

無事に牛にも会えたのでそろそろ引き返すこにしました。最後におばあさんと談笑し、ポカリスエットを頂いて「集落」を後に。

山道からみた「青久集落」全景。

いそいそとポカリスエットを僕のためにとりにいくおばあさん。
腰がシャキンと伸び、元気元気。

そしてこの「ゲート」を出て海岸へ。
まるで異世界の門をくぐるかのような、内と外の時間の違い。
無人の広い浜がひたすら眼前に広がっていました。
相変わらずうねりのある海を越え、嘉徳海岸へ。サーファーが歓喜して波に乗っている横を突破。タイミングがよく帰りは一発も波にやられずに上陸。無事に静かな川へ入りました。

嘉徳はかなり遠浅な海岸。
岸から数十メートルあるところからうねりが続く。

もときた静かな河口へ上陸成功。ほっとしました。
こうして、青久海岸上陸作戦は無事に終えました。
ほっとして一息つくと、なにやら不思議な気分になってきました。あの青い石垣のなかで起こったことは、ほんとに現実だったのか?という感覚です。時間がとまったような住居跡、一人暮らしのおばあさんと会話したこと、のどかな牛達…。もう一度あの石垣の中をみると、もしかして何もなくなっているんじゃないか…。そんな幻と出会ったような気分になり、ゆっくりと嘉徳を後にしました。

アダン越しにみる青久海岸。

残された最後の家。
人知れず山からの水が海へ流れる。
「ところで牛はどこですか?」と唐突に聞いてみました。海岸にいないなら車道にいるそうです。僕はさっそく放し飼いの牛探索に向かいました。青久へは実は車で降りてこられるのです。といってもガタガタな道で、できれば4WDでいきたいような道です。そこを歩いてずんずん進んでいきます。

ほんとうにこんなに遠くまで歩いてくるのか。不思議に思っていると、牛糞が道に。それもどんどん新しくなっています。いる、やつらはこの先に。

そして5分くらい歩いてあるカーブを曲がった時、突然いました! 牛です。 まあ、ただの牛ですが、なんか感動してしまいました。放し飼いというシチュエーションのせいか、すごくワイルドに感じます。珍しい動物でも発見したような気分です。

近づこうとしましたが、はっとしてストップ。そう、自分は真っ赤なTシャツを着ていたのです。闘牛が赤マントに猛進する光景を思い出し、足が止まったのです。大丈夫とは思いますが念のため。

無事に牛にも会えたのでそろそろ引き返すこにしました。最後におばあさんと談笑し、ポカリスエットを頂いて「集落」を後に。

山道からみた「青久集落」全景。

いそいそとポカリスエットを僕のためにとりにいくおばあさん。
腰がシャキンと伸び、元気元気。

そしてこの「ゲート」を出て海岸へ。
まるで異世界の門をくぐるかのような、内と外の時間の違い。
無人の広い浜がひたすら眼前に広がっていました。
相変わらずうねりのある海を越え、嘉徳海岸へ。サーファーが歓喜して波に乗っている横を突破。タイミングがよく帰りは一発も波にやられずに上陸。無事に静かな川へ入りました。

嘉徳はかなり遠浅な海岸。
岸から数十メートルあるところからうねりが続く。

もときた静かな河口へ上陸成功。ほっとしました。
こうして、青久海岸上陸作戦は無事に終えました。
ほっとして一息つくと、なにやら不思議な気分になってきました。あの青い石垣のなかで起こったことは、ほんとに現実だったのか?という感覚です。時間がとまったような住居跡、一人暮らしのおばあさんと会話したこと、のどかな牛達…。もう一度あの石垣の中をみると、もしかして何もなくなっているんじゃないか…。そんな幻と出会ったような気分になり、ゆっくりと嘉徳を後にしました。
またしても僕は不思議な空間を旅していたようです。
10月6日、晴れた奄美大島での出来事でした。
10月6日、晴れた奄美大島での出来事でした。

アダン越しにみる青久海岸。
Posted by gon at 10:13│Comments(0)
│シーカヤック