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2016年06月29日

倉崎海岸 自然のままの美しさを愛でながらよぎる芦徳の暗雲


ここ数日、連続して龍郷湾や倉崎海岸をシーカヤックで漕いでいます。穏やかな海、山だけの景観、鳥の声や魚の息吹、海からしかいかれない秘密の場所のような美しい海岸。いつみても心魅せられ、ゲストも喜びます。そして今、この倉崎の半島をめぐるある問題が、頭から離れないのです。22万トン、5000人の中国人客と2000人のクルーを乗せた豪華客船をこの半島に入港させ、山を開発してレジャーランド化する計画がです。先立ってその計画場所から目と鼻の先にある芦徳集落で、ロイヤルカリビアンというアメリカのクルーズ会社による説明会があったそうです。


芦得住民有志のホームページにかなり詳しく
資料が掲載されています。
http://ashitoku.com/cruise/


芦徳集落は人口300人ほどの小さな村。美しい自然や景観が人気で、若い移住者も多いところです。それだけに、今回の計画はただならぬものを感じたようで、早いうちから説明を受けた友人たちの間で騒ぎになっていました。龍郷町の全人口に近い中国人が、巨大な船に乗って小さな村のすぐそばにつき、レジャーランド化する山で遊びまくるというのは、どう考えてもあまりにも尋常ではない話です。しかもその計画実行の可否が、「芦得集落の住民投票」だけに委ねられていたのです。信じられませんね。

噂は千里を走ると言います。とんでもないということが方々に飛び火し、漁業関係者、マリンレジャーの業者、湾に面したとなり町の住民や内地の人々にまで話が伝わっていきました。方々から上がる声、それは「怒り」以外の何物でもありませんでした。近頃の中国の軍事的動向、世界各地での品の悪い振る舞いの噂も助け、多くの関係者が「やめさせろ!」「責任者は誰だ!」「町議は何をしてるんだ!」「芦徳だけで決める問題じゃないだろ!」と声を上げ始め、今回の意見交換会に至ったと、私は理解しています。


<我が子を見捨てたか町議会>
さて、28日夜、19時からはじまった意見交換会。席を埋める多くの人で賑わったりゅうゆう館。まずはロイヤルカリビアンの副社長、などお偉いさんから始まり、会社概要、環境への配慮、アセスメント、山地の開発のイメージなどが話されました。これだけ聞くと、しっかりとした会社で、熱心に環境に配慮し、就航する先々の地元にも貢献してるんだという内容で終わります。そして奄美の芦徳の自然がとても気に入ったいますということを強調しました。

次に、今回の最大の被害者ともいうべき、芦徳集落の区長からの意見として、これまでの経緯、現状が説明されました。ここで一つ驚くことがありました。なんと、議会、そして町長は、今回のこの問題で、一度も芦徳へ足も運ばず、解決の協力もしていなかったということです。芦徳区長の切実な最後の言葉、それはまさに「こんな大きな問題を、芦徳だけで決めていいものか!」ということを町議に対して訴えたものでした。町議への不満と落胆がありありと見てと取れ、まさにお気の毒でした。ここで会場は大きな拍手に包まれます。区長の言葉はまさに庶民の思いを代弁していたことの証明でしょう。

   続く