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2013年01月11日

クロマグロ養殖場説明会 反対意見への感想

 さて、「クロマグロ養殖場説明会 感想」として、豊田通商(株)の説明や回答、賛成派の異様な熱弁に対しての感想を書きました。と、同時に今回は芦徳集落を中心に、反対意見を述べた方々への感想もあわせて書かせて頂きます。と申しますのは、掲示板等でご指摘されている方の通り、あれでは「説得力に欠ける」と、私も感じたからです。

その理由は次のとおりです。「反対の会」の方々におかれましては今後あのような場で聴衆を惹きつける言葉を発せられるよう、参考にしていただけたら幸いです。

理由1:怒りをぶつけても嘲笑の的
 芦徳の方々が集落投票によって反対を決議し、会まで組織しているというのは新聞等で周知のことでした。しかし、説明会には初めて豊田通商(株)から説明を受ける方たちもいたと思います。また、賛否を決めかね、その参考になる発言、情報などを期待していた方もおられたのではないでしょうか。そのような場で、計画に対する怒りや苦情を表明しても、周りの人々は「お気持ちはわかりますが、で、あなたは結局何が聞きたいのですか?」と、嘲笑の的になってしまいます。 最終的に賛成、反対を決める場では無いのですから、言葉を整理し、確認したいことを質問するに留めるべきだったのでないかと思います。賛成派多数のような会場では、余計に聴衆をひきつける落ち着いた言葉が必要と感じました。それに豊田通商(株)さんは「皆様が反対ということでしたら我々はやりません」と公言されています。要は住民の総意がどうなるかという問題であって、あの場で豊田通商(株)を攻撃しても意味がありません。どうせなら「汚染が深刻となった場合、事業の途中でも撤退する覚悟はありますか」など聞いて欲しかったです。

理由2:あの場で漁協を追求しても仕方がない。
 会も後半になり、漁協に対する質問もでてきました。「漁協は今回の件で、いったいいくらお金をもらうのですか?」というものです。あの会で、こうした質問はまったく意味をなさないと思います。なぜなら、どのようにでも答えられるからです。漁協の方は「まだそうした段階の話にさえなっておりません」と回答されていました。それが本当か、仮にすでに何らかの金銭的な話があったとしても、あの場で本当のことが回答されるはずもないのです。逆に「反対派が証拠もないのに勝手に疑って突っかかっている」と受け取られ、いたずらに周囲からの失望を招き、稚拙な印象を与えてしまいます。 質問するのなら「この事業による雇用は、龍郷町民に限られるのか」とか、「町外の、それも漁業組合員以外の一般人も対象になるのか」といったものにして欲しかったです。証拠もない疑惑の追及は、かえって反対派の首を締めるのでおやめください。

理由3:わかるんだけど場に適さない発言
 やはり会の後半でのこと。何やら神高いお方から、霊的なお告げのようなお話がありました。「地球に感謝してますか~? 食べていけないのは全世界の問題です!!」との問いかけです。確かに、全世界的な食料問題、経済危機は、地球や生命への敬意の欠如というご意見は同感です。が、あの場でそう説いてもあまり意味をなさなかったのではと思います。なぜなら、そうしたお話を聞いても、この事業への疑問を持つ方々には何の解決にもならないからです。説明会は、漁協および豊田通商(株)の事業への質問と確認、もしくは要望をする場だったと思います。場に適さない発言ではどんなに立派な話でも「だからいまはそういう話じゃないでしょ?」と、また嘲笑されてしまいます。 その場に適した的を射た発言や質問、もしくは賛成派すら惹きつけるような鋭い語りかけが必要なのでは。それは科学的データや視察の結果の現場の話、養殖を受け入れて失敗した集落の実際の話、もしくは簡略にまとめられた事業の危険性への指摘だったりと、びしっと決めていただきたかったです。とくに「感情的にならない」ことが肝要だと思います。あの有名な空手少年の映画「ベストキッド」でも、師匠のご老人が弟子の若者をたしなめるときにこう言っていました。

「感情で闘えば、正しくとも負ける」


がんばりましょう。

 今回否応なく「傍聴」するしかない立場だっただけに、かえって賛成派、反対派の様子を冷静に見ることが出来ました。賛成派も反対派も、説明会の使い方を誤っていたように思います。熱い賛成演説で聴衆を扇動するのも仕組まれたような不自然さを与え、感情的に反対の怒りをぶつけても稚拙な印象を与える。あくまでも事業説明を理解し、それに対して諸々を確認する場ではないでしょうか。反対か賛成か、自分はどういう立場か、それはこの次のステップです。それを履き違えると、住民のやりとりに振り回される豊田通商(株)さんも気の毒な犠牲者とさえ思えてきました。


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この記事へのコメント
全く同感です。双方の言い分が、比較検討される場をもっと設けて、なおかつ
聴衆が客観的に考えることのできる内容の説明会を、反対派・推進派の両方のプレゼンで展開してほしいですね。(推進派はあまり説明会を設けたがらないかもですが・・・。)
Posted by yamato at 2013年01月13日 11:17
yamatoさん
コメントありがとうございます。
比較検討されることがもっとも推進派の痛いところでしょうね。勝つ自信がないと思います。過疎化が防ぐことができていない現実がありますからね。恐れるように町外者の発言も拒否するのですから、余計な意見で皆の気持ちが揺れる前にやっちゃいたいのでしょう。だれの意志に、だれのやり方に神がほほえむか。宗教家じゃありませんがそんな気にさえなって来ました。
Posted by gon at 2013年01月13日 18:53
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