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2018年05月22日

梅雨入りのキャンプ

海のシーズンへ突入したかと思えばもう5月7日から梅雨入り。雨が心配される中、シーズン初のキャンプに行ってまいりました。場所は加計呂麻島の実久。テントスペース、東屋、トイレ、シャワー完備の文明的なキャンプでしたが、浜で小さく焚き火ご飯。そこをベースに加計呂麻島の西側(外洋)へいったり。時には唯一の売店のおばちゃんと人生を語り合い、実久の湾を探索したりとのんびりな3泊4日。フェリー加計呂麻が帰る日にドック入りし、代理運行の建設会社の船に車を乗せたりと慌ただしかったですが、これもまた旅の学び。それにしても、実久ってほんとに遠くて、距離としては古仁屋についてから西古見へいくようなくらいでしょうか。ある程度の買い物を済ませ、あとはフェリーのつく瀬相(せそう)で買い出すしかありません。瀬相には幸いお土産屋さんができ、地場野菜、お肉、刺し身なども買うことができるので助かります。


まずは古仁屋にでむき、フェリーで渡ります。


それにしてもでかいマグロ...。


フェリー加計呂麻にて横断中。


8時10分、生間(いけんま)いきのフェリーに乗り、
実久まで車で着いたのがおよそ10時頃。なかなかの長旅です。
しかし海が青いですねえ。


みなさんが漕いだり泳いでいる間、
キッチンソテツでせっせとランチの用意。


実久の湾の、とある場所。向こうには無人島、江仁屋離(えにやばなれ)が見えます。


風がやや強く、この日は早めに上陸。まずはおばちゃんのビールを頂き、
テントを立てます。


この日は雨も降りそうだったので、ストーブで調理。
こんな場所で夕暮れをむかえました。



風が静まった中日は外洋側を探索。どうも魚影は少ないようです。


しかしお客さんの一人が初めて見るすごい魚を獲ってしまいました。
ワニゴチというそうです。


白身の刺し身に变化。絶品でした!。


ネギ、生姜とともに味噌汁に。絶品でした!!。


最終日は再び漕いで外洋へ。サンゴの綺麗なポイントでシュノーケルを堪能。
梅雨の只中なのに暑いくらいの日差し。ありがたし。


もはや夏日の様相ですが、夏よりも気温が快適です。


最後の晩はやはり外で。持ってくれたお天気に感謝。


帰る日の朝早く。いよいよ空は梅雨模様。


船までしばしの時間、高台を見物に。見晴らし最高です。


静かな大島海峡の入り口。夕日が見えたら絶景ですね。


そして船に乗り込み、一同は古仁屋へたどり着き、街中で解散。同じ島にありながら、ちょっと遠くて異国感さえ感じた加計呂麻島の最果て。なかなか余韻が抜けません。もはや10数人しかいないという小さな集落がたくさんの島の現状。来る未来はいったいいかに....。過疎、高齢化、村の消滅....。いろいろなことが浮かびますが、でも5000人の中国人が船で来たからと、解決になることはないでしょう。綺麗な海、静かな村....。喜びだけではない問題。そこに人が住み、仕事をし、生活が営めなければ、どんどんと人は離れていく。人が住み、仕事をし、結婚や子育てもし、次世代も住み続ける.....。そのためにはある程度の開発や利便性の向上は必要でしょう。ですが、度を越したものはかえって逆効果。住み続ける人たちにとっての生活のしやすさ、外から来る人々にとっての魅力や価値。このバランスが大切なんでしょう。なんだかとりとめもないことを書いてしまいましたが。加計呂麻島の余韻が、こんなことを私に考えさせるのです。







  
Posted by gon at 17:43Comments(0)キャンプツアー

2017年12月11日

電気がとまったらどうするか

美しきキャンプ賛歌の後半になりますが、いつも思うことは、そこでは電気がないということなのです。戦中戦後体験の世代の方は、今のように何もかも電気で賄えることはありませんでしね。電話にしても、誰かの家まで使わせてもらいにいったり、下手をすれば灯油ランプでの生活だったり...。いま電気で動いているものの多くを、人の手やそれに近いもので動かしていたわけです。そう思う時、カヤックという乗り物で海を漕ぎ、文化的なものがないなかで過ごすことは実に大切な時間だなと、毎度のことながらに感じます。もちろんカヤックはFRPという素材で、テントやら寝袋などは現代の技術や素材です。それは最新技術をもって古の時間を体験するという、一見すると矛盾するようなこと。しかしそれが実によいのです。

電磁波だって、その昔のそれに比べたら遥かに現代人は浴びまくっていて、放射能だってとんでもなかったりしているわけです。そこに、体にとって「本来はそうだった」静かな音の響きの中にいき、「本来はそうだった」夜は暗いという中で過ごす。きっとそれでいいんだなって....何に書いてあるわけでもないけど感じるのです。それが感じられるだけでも、キャンプに来てよかったと思います。

もしもいま世界中で電気がとまったら、まず夜はロウソクや灯油ランプでしょう。懐中電灯やヘッドランプは電池があ限りは使えますが、電話なし、テレビなし、ラジオなし。下手すると流通の途絶。水や食料はどうしましょうか。スーパーで品物が底をついたら、あとは自然界から狩猟採集でしか食料はてにはいりません。そのとき、都心の方々は真っ先に窮地に陥るでしょう。それはきっとあっという間のこと。それほど都市部は、まるで人工呼吸器を外されたら生きられない意識不明の入院患者のようなものだと思います。電気への依存から自立していくことは難しいかもしれませんが、数年電気が途絶えたときのことを、考えておくにもキャンプ体験は役立つものだと思います。

そんなとき、昔の人はどうやって水を手にしていたか、食料を手にしていたか、風雨から身を守っていたか、病気や怪我にどう対処していたか...。こうしたことを考え直し、見直し、学び直していく。また、そうしたひらめきや直感の訪れに心開いておく。太古の昔にタヒチからハワイへ、星だけをみて渡った人類の祖先がいたように。それが、来年からの大切な指針になるように思います。

おっとっと、だいぶ長くなってしまいましたね。たまに私もこういうシリアスモードのスイッチが入りますがご容赦ください。





焚き火と月が夜を染める。


東にも西にも面した場所は浅い日も夕日も美しい。


岬は聖地と言われますが、ここもそうなのでしょう。
開発はしないでほしいものです。


スープとご飯は別に作るのですが、
ぶっかけても美味しいのでついやってしまいます。


いつもは陸地からは立入禁止地区ですが、小学生が遠足に。
我々を見るけるなり 「 人だ!! 」 と叫んでました。人だよ。


こんな場所で歯磨きです。海水は歯茎も引き締まります。


今回は丘でのんびりでしたので、極めて少ない貴重なパドリングシーン。


そして名残惜しくもときた港へ。与えられた天候条件でできることをやり、
存分に楽しむ。ときにはこんなのんびりキャンプもありですね。

  
Posted by gon at 19:20Comments(0)キャンプツアー

2017年12月04日

美しきキャンプ賛歌

今年も最後となりましたシーカヤックキャンプ。天気によって行ける場所も移動できる距離も決まってきます。今回は直前まで土砂降りとなり、3泊4日を2泊3日に変更。おまけに北風が強く、行ける場所も限られました。天気予報でも曇り。場合によっては雨。まあのんびりとやりましょう、といってベースキャンプスタイルに。明るい中で早々とテントを立て、夕方から宴の始まり。するとどうでしょう。暗天の中でも楽しげにワイワイと乾杯していたら、天の岩戸からアマテラス様がお顔を覗かせるように、神々しい太陽の光が!! これには一同息を飲みました。そして美しい三日月も天頂に現れ、焚き火と夕焼けが染める至高のひとときが過ぎていきました。

昨年の青久でも、おばあさんがくまもんの味海苔とおにぎりをもたせてくれました。あの時も感じた「自然界の優しさ」。今回も感じずには要られませんでした。ありがたし。  青久 幻の村で最後のキャンプ


予定日二日目からなんとか天気も回復。
風強い中を漕ぎ抜けていきます。


旅の始まりにいつも胸躍る。


到着と同時にこれでしょ!


風強く、タープも低めに貼ります。


わいわいと賑やかなランチタイム。


野菜たっぷりのチーズサンドと紅茶で体を温めます。


そのときでした。雲間から神々しい光が!


まるで神様降臨のような絵図。その場の迫力は写真の比ではなかったです。


涙がでそうな荘厳さでした。




あれよあれよと青空が。雲はどこへ。


明るいうちから早々と夕飯の支度。


そして三日月と夕焼けと焚き火の幻想空間へ。
美味しい焼酎もあわさって幻を見ているかのような瞬間。
ここは現世か極楽か。

やがていい気分で出来上がった面々は、
安らかにテントへ滑り込んでいくのでした。

続く








  
Posted by gon at 13:16Comments(0)キャンプツアー

2017年06月26日

船越海岸の歴史

GWキャンプレポート後半です。東シナ海を望む秘境で一泊後、我々は海が穏やかなうちに西古見灯台を回ろうということになりました。およそ3km。目の前です。これでもかという凪の中、断崖にゼロ距離パドリングで進みます。道中、この世のものかと疑いたくなる美しい輝きの海に染まり、迫力の岸壁は生きているかのような流動を感じます。まさかのカヤックに驚く釣り人を面白がりつつ、ついに岬にタッチ。そのまま西古見の、旧日本軍の観測所まで進みました。あとちょっと行けば西古見というところでした。


素晴らしいとしか言えない、鮮烈な青さの海。


見えてきた西古見灯台。まさかこんなに近づけるとは。帰りは一気に焼内湾の沖を横断。宇検村の船越海岸を目指します。海流と風に逆らって進むダブルカヤック。二人で漕ぐ力は頼もしい限り。枝手久島の沖を通過中、ふと黒い影が水面に見えます。イルカの群れでした。興奮をおさえ、静かに接近。前にいるかと思えば、後ろに現れ、消えたと思えばまた現れる。だいぶ潮の速いところで獲物をねらっているようでした。しばらくイルカを観察。


野性的な海で会うイルカは野生感抜群。


昼前、宇検村の船越海水浴場に到着。このままここでキャンプ。


丘に上ると記念碑がありました。石碑があり、戦争中に民間人沖縄から長崎へ疎開させる途上の対馬丸という船が米軍に撃沈され、1500名近い方が犠牲になった歴史が綴られていました。小さな子供もたくさんいたそうです。おびただしい遺体がここや他の海岸に流れつき、凄惨な光景は正気ではいられないため、村の方々は焼酎を煽り、埋葬したそうです。悲しい歴史です。



夜、一人火を見つめ、悲しくも戦争で命を落とした方々のご冥福をお祈りいたしました。



ダイナミックな東シナ海の旅はついた海岸で梅雨入りしたかと思う程の雨となり、大きな波の中を越えて戻り、無事終えました。普段はあまり来ない東シナ海の海。奄美の魅力の奥深さをまたしることとなりました。一度ゆっくり東シナ海の旅を今度してみましょう。





















  
Posted by gon at 22:18Comments(0)キャンプツアー

2016年11月28日

青久 幻の村で最後のキャンプ

2016年、最後のキャンプは予てからのリクエストを受け、幻の村、青久へ。北風を避けて嘉徳から出発。サーファーなら喜ぶ波をびっしょりくらって出艇し、時間が止まったような静寂な世界へ、またやってきました。最後に来たのは2年ほど前だったか。たった一人、村を守って暮らすおばあさんも高齢で、もしかしたらいなくなってしまったかと心配しましたが、お元気で迎えてくれ、心から安心しました。

静かで広大なその海岸は、変わらずに大小の青い石でできており、谷間には美しい川が流れています。そしてお城のように青い石でできた石垣の中に、おとぎ話のように佇むおばあさんの家。今は牛もおらず、家だけを静かな光が照らしていました。
3泊4日の今年最後の秋の旅。変わらずに神聖な静寂漂う青久海岸の様子、お届けします。


奄美市は住用町、深い山に囲まれた青久。
その空間の静けさと美しさの魅力は問答無用で素晴らしい。


こうして石が青いのが名前の由来でしょうか。


浜から山側を見ると、お城のような石垣。
どこかの遺跡にでも来たかのよう。


石垣の中から海を望む。辺りの静けさとともに
美しさに立ち止まる。


後半から太陽も現れ、快適なキャンプに。
焚き火でつくるご飯と、絶景を望んで飲むお酒が進みます。


ベースキャンプをそのままにし、漕いで近辺を探索。
大物がうようよ泳ぐ美しいサンゴ礁に感激!


うねりと風がややある海を、楽しみながら進みます。


見上げる絶壁の壮観さ。このスケール感、わかりますか?


海から上がれば谷間の川で洗濯。
毎日潮を洗える幸せ。


澄んだ美しい水が流れる青久川。
食器を洗いながらついでにがぶ飲み。
美味しかったです。


海岸は流木の山。私には宝の山です。


夕方からワインとつまみ。ハッピーアワー。


夕方6時には真っ暗。焚き火が心強く照らします。
みんな8時には眠ってました。健康的です。
暗くなったら寝る。それでいいんじゃないですか?
そんな社会にしたら原発いらないですよきっと。


キャンプ最後の朝、朝食を終えて片づけていたら、おばあさんが川の向こうから手を振って呼んでいました。行ってみると、深々座り込んでお辞儀をされます。何かと思ったら、「人がいてくれて安心した」のだそうです。さらに山盛りの手作りおにぎり、くまモンの味付け海苔、栄養ドリンクまで頂きました。もう帰ってしまうかと思い、慌てて作ったのだそうです。感無量でした。キャンプをさせていただき、素晴らしい海岸を楽しませていただきながらお礼まで言われ、御飯までもたせてくれるなんて.....。 なんだかその場の自然のすべてが優しく微笑んでくれて、おばあさんを通して優しくしてくれたかのようでした。もうあと何度お会いできるかわからないお歳ですが、また来ますと、お礼を行ってお別れしました。ありがとう、青久のおばあちゃん。


青久を出た後、嘉徳への道中のロックガーデンを堪能。
海や岩山の美しに心洗われます。


最後は嘉徳の川を登り、真水でさっぱりしてキャンプを終えました。3泊4日、秋の最後のキャンプ。また一つ、忘れられない体験となりました。帰り道、おばあちゃんのおにぎりを美味しくいいただいたことは、言うまでもありません。








  

Posted by gon at 19:21Comments(6)キャンプツアー

2016年10月31日

お魚三昧キャンプ

世界はハロウィンで盛り上がっていますが、「ハッピーハロウィン!」というのは個人的にはちょっと変な気がします。ハロウィンはもともとケルトのおまつりで、10月31日が世界の終わりとされていました。その日は日本のお盆のように死者の霊が帰ってくると信じられていました。ただ悪霊も一緒に来てしまい、作物に悪さをしたり子供をさらうので、変装をして悪霊を驚かせて追い払おうという意味があるようです。ですが意味なんかいいから楽しきゃいいという、世界一宗教に寛容な日本らしさでもあるでしょうね。しまいには「ハッピーお盆!!」とか言って仏教の行事も仮装パーティーのようにぶっ飛んでしまいそうなカオスな世の中ですが、はてはてどうなるやら。

さて、奄美では町民体育祭が開かれたり、スポーツの秋真っ盛り。本土の台風被害で野菜の高騰が続き、もやしで頑張る家庭が多いかと思いますが、皆たくましく暮らしていることでしょう。 Gulfblue kayaksも10月3度目のキャンプと活動中。釣れた魚が余すことなく食材となってくれる貴重な体験でした。


前回のキャンプ同様、大雨でダメかと思いましたが、奇跡の晴れ。
お天気ギリギリだとなお、つかの間の晴れ間がありがたい。


ゲストの一人がルアーで釣り上げた獲物。さあ何にしようかな。


ジャジャーン! 今回は白ワインがありましたので、
ミーバイは白ワイン蒸し、ガーリックオイル乗せに大変身。
あっという間に骨になりました。






ナンヨウクロダイはお刺身、あら汁、さらにだし汁ご飯へと変身。余すことなく堪能させていただきました。いつもミーバイはアルミホイルに入れて食べるくらいだという釣ったご本人も、「こんな食べ方したことない!」と喜ばれていました。海辺のレストランテ、お楽しみいただけて嬉しいです。


最終日の朝、まだかろうじて持っている天気。しかし朝焼けの雲が荒天を告げています。バケツをひっくり返すような雨と激しい風を警戒し、朝早くからご飯に。午前中にはやばやとキャンプサイトは撤退。ホーム節田の海でサンゴ礁を堪能し、最後はイズムリカフェにてのんびりと。


イズムリカフェに着くと、海は強い風が吹き荒れ、
白波が立っていました。あんなになる前に帰ってきてホッとします。


いつもボリューム満点のイズムリバーガー。
全員絶賛のうちに完食。


どんより曇りのキャンプでしたが、最後に鮮やかな青に目がくらむ。
この後、夕方さらに強風と土砂降りに。持ってくれた天気に感謝。

ハッピーキャンプ!!








  
Posted by gon at 20:17Comments(0)キャンプツアー

2016年10月16日

「遊び力」ある大人になろう

2年前、小学校1年生の男の子とお父さんとキャンプに出かけました。男の子には初めての海キャンプ。ドキドキ、ハラハラという感じでした。夏の盛りの暑いとき。はじめは調子も良かったのですが、夕方が近くなるにつれ、家やママが恋しくなってしまい、泣き出してしまいました。それを必死に楽しませようと魚を取りに行ったり、焚き火をやったりのパパが涙ぐましかったです。楽しむと言うよりはむしろ我慢や驚きが多かっただろうと思い、男の子はしばらくキャンプなんてしたくないかな...と考えていました。

そして2年が経ち、今年、なんとその少年の方がパパよりも乗り気なくらいの勢いで、「雨でもキャンプ行きたい!」といってきてくれたのです。実はかなり風や波もあり、外海は時化。土砂降りの雨もあろうと中止を検討しましたが、なんとかできそうな場所を見つけて実施。奇跡的に夕焼けや美しい月を見たり、キャンプらしい焚き火もできたりと自然が微笑んでくれました。

それにしても少年はたくましくなっており、今回は帰りたいの一言もなく、濡れる、汚れる、寒い、暑いも嫌がらず、父ちゃんが仕留めた魚の刺身をうめーうめーと男食いし、すっかりたくましくなった姿を見せてくれました。もうちょっと前の幼さを想像していただけに私も驚きました。子どもの成長は早いものですね。



2年ぶりの男キャンプへいざ出発!


ちょっとスリルのある波を越え、風に逆らい、探検気分が盛り上がるところキャンプサイトに到着。肌寒いくらいの天気でしたがいきなり泳ぎだす少年。いいぞその勢い。


天気予報では凄まじい雨量を出していましたが、どういうわけか夕方から晴れに。遠くの岬が土砂降りの雲に覆われるのを見ながら、私たちの場所は奇跡的な夕焼けの演出。それだけで有り難いものです。


夜の雨でびしょ濡れの薪。根性と技で燃やします。


土砂降りの雨の中、焚き火もできないかと思っていただけに全員至福。


親子で生きた魚を取り、さばく。貴重な経験です。


さばいた刺身うめー、サラミうめー、ビーフジャーキーうめーと、ちょっと早急なオヤジ化が進んでいる様子さえある男の子。もうちょっとゆっくり大人になってもいいのだぞ。これは父ちゃんのせいか....,。


薄暗くなるころ、煮込んでおいた鶏ガラともも肉のスープに大量に野菜を入れて鶏鍋を堪能。
ゆっくり煮込むって本当に美味しくなりますね。


大人はお酒で、子供はジュースでいい気分になるころ、焚き火の灯りは実に明るくあたりを照らします。


どんよりとした空からなんと月まで出てきて浜を照らします。月と焚き火と少年のスリーショット。




あたりは完全に闇になり、それぞれの寝床につきました。そして深夜でしょうか。突如轟音とともに凄まじい嵐のような雨。タープのポールにしていた竹は折れ、隣のタープの金属のポールまで倒れる凄まじさ。バタバタと大きな音でたなびくタープはつぶれ、親子のテントの形に張り付いていました。自分はもはやタープ餃子の皮に包まれた具のようになって横になったまま動けず。それでも中は濡れないのでタープのありがたみを感じます。外へ出られたのは明るくなって朝になってからでした。





朝の焚き火は苦戦。それほど何もかもがビッショ濡れなのです。少し濡れない場所に置いた薪と、竹を使って調理します。鳥だしのご飯と、出汁たっぷりの味噌汁で酔った体に栄養補給。トマトもフレッシュで体に嬉しい。


それにしても風が強くなてってきたと思った矢先、何と一人乗りカヤックが空中に飛ぶという目を疑う光景が!!そして縦に一回転し、勢いよく墜落。舵が割れて使えなくなってしまいました。驚きのあまり唖然とします。2人艇は昨夜の雨が大量に中に入っていたため、重石になって飛ばなかったようです。風の強い日、空荷のカヤックは気をつけなければと痛切に反省。もしも羽でもつけてあったらもっと高く飛んで行ったろうか...。



カヤックに応急処置をし、強い風の中を逃げるように帰還。本当はもっとゆっくりしたいとこでしたが、なんせ天気にはどうすることもできません。早めに大事をとって終了となりました。でも中止もやむなしの中では、出来過ぎるくらいできたのかもしれません。こんな天気のキャンプもまた快適なだけでは味わえない醍醐味があるというものです。

1年生でキャンプ。3年生でキャンプ。自分がそのくらいの年頃では、シーカヤックでキャンプをするなんて考えられませんでした。東京の江戸っ子はガンプラや空気銃で遊んだり、塾へ行ったり、習い事三昧。たまの休みもアウトドアということもさしてなく、都会で友達とキャッチボールやら自転車で走るやらゲームセンターで遊ぶとかでした。それを思うと、連れて行ってくれる親や実力のある大人の存在って、やはり子供の世界を大きく広げるものなんだなと思います。野外で遊べる子供を増やしてたくましくしたければ、野外で遊ぶ大人が増えることが一番でしょう。世のパパ、ママ、大いに遊びましょう。

体験こそ教育ならば、それをさせられるアウトドアズマンになろうじゃないですか!








  
Posted by gon at 11:34Comments(0)キャンプツアー

2016年10月10日

秋のキャンプへ

いよいよ10月に入りました。世はスポーツの秋、読書の秋、食欲の秋と言いますが、皆さんにはどんな秋でしょうか。酒の秋?。確かに島の年中行事もいよいよ大詰めですし、スポーツの大会の打ち上げなどが増えるので「酒の秋」と言っても過言ではないかもしれません。さて、Gulfblue kayaks の私には、「キャンプの秋」の到来です。夏の観光客も引いて静まった海を大満喫するシーズンです。悠々と広くて青い海を漕ぎ、まだ暖かい海でのシュノーケリングし、焚き火ご飯、乾杯などなど満載。スポーツも、食欲も全てありなのがカヤックキャンプなのです。夏と違って涼しくなるのも魅力のひとつ。星空の美しさも一層澄み渡る秋のキャンプツアー。11月後半までたっぷりと行ってきます。


半年近く前から頂いたご予約。皆さんの楽しみな思いが実現する時はガイドも心躍ります。静かで、広々とした秋の海へ。Gulfblue kayaks ではお一人からキャンプツアーを行います。


珍しく湾内で海がめと遭遇。なかなか逃げません。


誰もいないビーチは素晴らしい開放感。
上陸するだけで達成感が溢れてきます。


まずはお昼の腹ごしらえ。ササミマスタードのオープンサンド。
と、同時に美味しいものを乾杯。


その後シュノーケリングにて、いいサイズのミーバイを
銛で仕留めてきました。さてどんな料理に?





ジャジャーン!! 日本酒がなかったので黒糖焼酎で
酒蒸しになりました。ネギとゴマ油をかけ、絶品のおかずに返信。


さらにピリ辛挽肉をレタスに挟んだレタス餃子。
飲んでいたのでご飯は食べず、ちょうど良いつまみの宴会となりました。


朝食は和風出汁とオリーブオイルのコラボレーション。
和風ミネストローネ。ご飯にかけても美味しいのです。




短い1泊2日でしたが、秋の始まりをたっぷりと味わったキャンプでした。台風18号が迫る直前で、風が強くなりつつあったので早めに撤退。無事に飛行機も飛んでゲストは島を後に。なんとこの少し前には別の場所できゃんぷし、その後も各地でキャンプに出かけるとか。なかなかの強者です。素晴らしい。すでに来年の夏のリクエストも頂いていますので、どんな旅になるか楽しみです。

時は過ぎ、本日は10月10日。13日から再びキャンプへ赴きます。
が、しかし、お天気が......。ちょっと無理かなあ。

  
Posted by gon at 20:17Comments(0)キャンプツアー

2016年08月27日

続 ロビンソンクルーソーの夏やすみ

あたりがすっかり暗くなる頃、いつの間にかご家族は全員床につき、私一人焚き火を見つめていました。風は程よく、虫もいない。星は少しづつ増え始め、空の大河、ミルキーウェイも現れます。そういえば世界人口の3分の1は、「明るすぎる」ため、ミルキーウェイが見えないとか。何かで読んだことがあります。私たちは電気で多くの恩恵を受けていますが、「明るすぎる」がゆえにこんな美しい宇宙の輝きが見えないなんて、考えさせられます。暗いがゆえに見ある美しさがあるということは、不便なゆえに得られる素晴らしい体験があることにも通じる気がします。まさにそんなキャンプに街から来てくれたご家族が、心から嬉しく思えました。


夕飯の時に、毎日ラジオ体操に行ってる? なんて気軽に聞きましたが、どうも朝は苦手であまり行ってないというお兄ちゃん。しかしどうしたのでしょうか。私が日の出前からせっせとコーヒーを沸かしていたら、起きてきて、そばでくつろいでます。まるでコーヒーのCMのような絵になる姿。自然の中では何かがやはり目覚めるのでしょうか。

しかしこの後、まさかの2度寝 笑。 でも起きてきただけ偉い。



朝ごはんは、イタリアンオムレツとスープです!


すっかり日も昇ったキャンプサイト。
ここだけ切り取るともはや無人島です。


すでに遊びモード全開! では、狩りに行ってきます。


やがて青々とした昼間の海に。

お昼はパスタを堪能していただいた後、一晩の宿から名残惜しく出発。再び青い海をかけていきます。素晴らしい時間を過ごさせていただいた場所には、いつも自然に深い感謝を抱いてしまうものです。


帰り道、ちょっと秘密基地で一服。


穏やかな入り江でまったり。


シングルカヤックに乗って誇らしげな6年生のお兄ちゃん。


こちらはお兄ちゃんに追いつきたい妹さん。待てー!!と大騒ぎ。



秘密基地で休憩中、6年生のお兄ちゃんも、2年せいの妹さんも、シングルカヤックに乗りたいとのリクエスト。浅瀬で見守りながら乗せてみました。思いの外ちゃんと操作しています。ですが事前に関東の海で練習してきた時は、浅いところで少しだけだったようです。しかし、水深30mの龍郷湾を渡る、と張り切っていました。心意気やよし! と思い、私と交代。そして見事に横断に成功。彼には立派な冒険。誇らしく、そして自信がついたことでしょう。危ないから全部ダメではなく、見守れる範囲で冒険をさせる。それが Gulfblue kayaks スタイルです。二人のお子さんを遠くから心配しながらも見守るご両親。龍郷湾はそんなご家族を丸ごと、優しく包んでくれていました。

こうしてご家族の1泊2日の冒険旅行は、
穏やかに幕を閉じていきました。













  
Posted by gon at 09:23Comments(0)キャンプツアー

2016年08月26日

ロビンソン・クルーソーの夏休み


この夏、シーカヤックキャンプに初挑戦されたご家族の話。ご両親と小学6年生のお兄ちゃんと2年生の妹さん。息子の小学校時代最後の思い出にと、おとうさんが随分前からGulfblue kayaks のキャンプを見つけ、これだ! とひらめき、飛び込んできてくれました。旅仕様の本格的なシーカヤックで滑っていく青い海、珊瑚や魚の竜宮城。獲った魚を食べたり、本ものの焚き火での料理を食べたり。そしてタープ一枚で砂の上で眠ったり。見るもの、触れるもの全てがいつもと違う大自然。まるで無人島のような海岸での1泊2日。お子さんはもちろん、ご両親にとっても一生忘れられない素晴らしい時間になったことでしょう。


出発の朝。わくわくドキドキ。


道中の青々とした海だけでもすでに感激。


キャンプ地についてまずは腹ごしらえ。ホットサンドでお腹いっぱい。


そして海へ。私とお父さんとで魚をゲット!
この味噌汁が絶品でした。パパの株が上がったこと間違いなし。


全力で遊んだ後、日が沈むなかで晩御飯。
お腹ペコペコであっという間に完食。


そしてお父さんと私で冷えたワインを楽しみながら話に花が咲き、
やがて夜が更けていきました。  


続く



  
Posted by gon at 06:48Comments(0)キャンプツアー

2016年08月19日

キャンプの中で大戦を思う

平穏を取り戻した倉崎海岸にて、美しい自然が余すことなくその素晴らしさを見せてくれています。時に雨、晴れ、曇り、風と様々に変化し、水と光の芸術が通り過ぎていくのでした。経験者、初心者と、ご家族は奄美の夏を体いっぱい感じていたようです。


龍郷湾を渡って笠利湾に踊り出す。
鮮烈な青の道。


何年も来ていただいているゲストさんが、
今度は娘さんを連れてキャンプに。


ホタことウンギャルマツをご飯いいれて炊きます。


美しいキャンプサイト。静かに訪れる人にだけ微笑んでくれます。


突然のゲリラ豪雨。暴れるタープ。


すごい雨なので水をためて有効利用。


曇りながらも夕焼けが。


そして焚き火に癒される。


鍋に貯めた水を飲んだりしているうち、ふとこの日、原爆が広島に落とされた日であることを思い出しました。また、南方の戦線で飢えと渇きに苦しみながら戦っていたかつての先人達も、こんな風にわずかな雨を大切にしていたことでしょう。その辛苦を思い、ありがたく水をいただきました。そして今、先人達が死ぬほど生きたかった未来に生きていることを、心から感謝せずにはいられない夜となりました。


  
Posted by gon at 20:08Comments(0)キャンプツアー

2016年07月19日

島の思い出は最高の光の中で


まもなく島を去ろうかという方からキャンプツアーのリクエストを頂きました。台風1号の余波が心配されましたが、風を避ける場所を見つけ、自然満喫ツアーを開始。半年だけの滞在のはずが気がつけば3年。さぞ、いろいろな時間、出会い、そして自然の美しさを身にしみて感じてこられたのでしょう。何もない場所でキャンプをするカヤックキャンプに飛び込んできてくれました。

最高の時間を過ごしていただくために、Gulfblue kayaks、出動です。


海でのキャンプは始めてのゲストさん。
強烈な青い昼間の光に照らされます。



風強い赤尾木を渡り、波しぶきをかぶりまくって
やってきたプライベートビーチ。たどり着いた感は最高です。


そしてまずはドボンと水の中へ。
ライフジャケットで浮かぶ至福のリラックス。
眠ってしまいそうになります。


強い日差しと夜の雨に備え、タープを張ります。
屋根があると何か安心です。


焚き火でつくる、スモークチキンの炊き込み御飯と
オニオンスープ。夕日を見ながら満喫。


芦徳の山に沈む夕日。ただただ美しい。


まるで無人島に来たような原始的な場所。


そしてパーフェクトな夕焼けに。


やがて満点の星と焚き火の光だけの時間に。
原始の時間にタイムトリップ。


朝焼けの中での目覚め。
新しい1日が産まれる前の最高の静けさ。


朝ごはんはワイルドオムレツと残ったスープの出汁ご飯。
あっという間に完食。


一晩の宿から離れる時がきました。
名残惜しく海に浸かります。


倉崎海岸付近を漕ぐ。最高の青さに唖然。



「ど」がつくほどの暑い夏日。アダンの木陰が最高です。最後は倉崎海岸の北端にて休憩。ひと泳ぎしてサラダパスタを平らげ、穏やかに龍郷湾を戻って行きました。1泊2日という短いキャンプでしたが、なんだかスタートした場所に戻った時、1週間くらい離れていたような不思議な感覚がこみ上げてきました。すぐそこでキャンプしていただけなのに。振り返れば、私たちは自然の光の中で時間を過ごしていました。昼は山の緑や海の青さに染まり、夕焼けの光、焚き火の灯り、満点の星あかり。そして朝焼けの光。そのどれを取っても、何万年も前から実はこうした光の中だけで過ごしていたことを体が思い出し、短い時間の中で、ものすごい沢山の体験をしていたのだと思います。懐かしい自然の光だけの時間を、体も魂も懐かしむように。



今回お越しいただいたゲストの方から
コメントをいただきましたのでご紹介いたします。

H様 女性 40代 島内在住
昨日今日、大変お世話になりました。長谷川さんのおかげでこの奄美、また今までで一番のキャンプでした。夕陽も朝陽も星空も彗星も! 最上級でした。深謝。とうとがなし。

Gulfblue kayaksより
H様、この度は1泊2日のカヤックキャンプにお越しいただき、誠にありがとうございました。心配された風もどうにか山陰でかわし、キャンプができてよかったです。晴天のおかげで素晴らしい夕焼け、星空、朝焼けを堪能されて何よりです。私が眠っている間に彗星まで流れていたとは! 見たかったです。流れ星も、いつも流れている島の空。本当に綺麗ですよね。およそキャンプで味わえるすべての最高の瞬間が、濃縮されたような1泊2日だったことでしょう。微笑んでくれたお天気に感謝するばかりですね。

この思い出を胸に、島の自然をご自身の一部のように愛しんで頂けたら嬉しいです。それではまたいつか、海の旅をいたしましょう。ありがとうございました!







  

Posted by gon at 09:10Comments(2)キャンプツアー

2016年07月10日

ニパルタックの尻尾の中で

島在住のゲストからキャンプツアーのリクエストを受け、視察と準備に奔走。今回の豪華客船問題を受けて「一度この場所を見ておきたい」、と、そのお言葉に強い意志を感じました。しかし台風1号、ニパルタックの影響で激しい雨が降ったり止んだり、南風が吹き荒れたり。どうするか悩んだ末、やはり現場を見るに尽きます。倉崎海岸は山の陰。あそこまで行きさえすれば...。そうして決行を決意。ドリフトパドリング計画始動!。



龍郷湾を吹き抜ける南風。白波立つが、その中に抜け道を見出す。



目指すはプライベートビーチ。






いま、倉崎海岸の豪華客船計画は全国的な問題になっています。今回のゲストも失われる前にこの目に焼き付けたい、そしてなんとかして守りたいという思いが強くおありなのでしょう。それは私も同感です。静かで尊い場所に、あまりにも威圧的なものを持ってきてくれるな。そう思います。

そして何より、島の子供達が、安心して遊べる自然。
島の子供達が、守りたいと思う場所が神々しいまま残っていてほしい。

とうとがなし



とある笠利湾の美しい浜で遊ぶ子供達。




龍郷湾を守る会ブログ















  

2016年05月10日

目が覚める碧さ 無人島の神秘

5月1日 南東の風 波1.5m

キャンプ2日目、西阿室近くの広い海岸での夜は快適でした。目を覚ますと眼前に無人島が浮かぶ大海原って、開放的です。通過してきたハンミャ島や今回はスルーした須子茂離。いずれも内地からくるカヤッカーに人気のキャンプスポットです。しかし自分は妙な心細さを感じました。ビーチ前のサンゴは多くが死滅していること、そしてどの方角からの風にもさらされる「無防備さ」を感じたことがその理由かもしれません。その点大きな山を背にした加計呂麻島や大島側の海岸は、無人島というロケーションではなくてもキャンプサイトとして素晴らしい。この辺りはその人の好みやキャンプスタイルによっても意見が別れるところでしょう。

さて、加計呂麻島に寄り添ってしまえば後は南風の乗って行くだけ。
潮流も風も味方の海へ、いざ無人島の江仁屋離へむかって出発です。


ありがとう風崎、2泊のご恩わすれません。


ニンバス社スカーナが快調に進む。
ダブルカヤックは荷物も入るだけでなく、
やはりスピードも出るので距離が稼げます。


西阿室〜喜入〜阿多地と集落を過ぎて北上。
途中、ジオツアーができそうな奇岩を撮影。


やがて眼前に迫る無人島、江仁屋離。一度荒れると近寄れない難所です。
この日はほとんど凪。ギリギリまで接近してみました、すると…。























なんという碧い輝き! 
無人島の大島海峡側をなめるように進むと、
目の覚めるような色でした。


そしてこれが噂にきく「青の洞窟」?
というより青のみぞか…。あまり奥行きが無い。
しかし美しいことに違いはありません。


しばし神秘的な水色に呆然とする。


画像をクリック


午前10時30、無人島へ上陸。お昼くらいとの予想は大幅に早まりました。よほど風と潮に押されていたようです。ひとまず上陸して休憩。無人島の江仁屋離は南側と北側に海岸があり、今回は北側へ上陸。海岸の勾配がきつすぎてキャンプはし辛そうに見えます。


明日はさらに風が強まるので、このままの勢いで西古見へ。
お馴染み立神が見えるところでちょうどお昼です。


もう上陸は直ぐ目の前なので、ゆっくりとパスタを。


午後14時ごろ、西古見へ帰還。まだ明るいうちにキャンプ道具を運び、公園で乾かします。集落の商店でビールを買って軽く乾杯。暑いので染みますねえ。この日はGWまっただ中。次々と観光客が車で来ては帰って行き、18時頃まで釣りをしているご家族もいました。島内の方で初めて来たと言っていました。この公園もやがてもっと人が訪れるかもしれません。


やがて日も傾き、涼しくなります。


残った野菜とお肉でイタリアンオムレツ。そしてあとは黒糖焼酎をちびちびと。公園の芝生に貼ったテント眠ったのは何時頃でしょうか。旅の最後の夜はゲストが眠ってもしばらくひとり酒をしていて、いろいろな場面を振り返っているのです。


早朝のご飯の支度。昨年はもっと湿気があり、小バエに数百箇所も刺される目に。今年はすでにアブがいて食べてくれているようで少なかったです。でも西古見の海岸は今回のどの海岸よりもやはり小バエがいるので注意しましょう。


5月2日、朝。まだ晴れ。明日から天気は雨模様。
最後の晴れ間を満喫して朝ごはん。
海をみると朝から南風が強くなってきそうでした。


西古見からの帰り道、離島群が見渡せる高台にて。
大島海峡はすでに強風で白波がたっており、
実にいいタイミングに渡ってこれたと思います。


住んでいてもなかなかいかれない加計呂麻島のその向こう。待てば海路の日和ありと申しますがまさに「その時」がきたのです。いつかまたのんびりと巡って、今度は請島だけとか、与路島だけとか、いろいろと夢と話題がつきない帰り道でした。

北部に戻り、ゲストが前泊していた宿に忘れ物をしていたので受け取りに。

そして…
























おかえり! おかえり! おかえり! と大歡迎。
一気に疲れが吹き飛びました。
















  

Posted by gon at 11:23Comments(0)キャンプツアー

2016年05月09日

離島へ アイランドホッピング


まだ暗いうちから浜辺でコーヒーをわかし、早々と食事の用意へ。昨夜のカレーの残りをつかったカレー雑炊、のつもりがちょっと水がすくなかったか、カレー粥になってしまった。徐々に加計呂麻島から朝日が昇り、辺りが明るくなる頃にゲストがテントから起きててコーヒーを一杯。今日は穏やかだ。食事が澄んだら素早くテントやタープを片付けてカヤックに詰め込む。パッキングがすむと、「またどこかへ旅に」という気分が一気に高まる。鎮まった請島水道が早くおいでと呼んでいるようだ。請島、ハンミャ島、与路島へ、穏やかな海峡へのアイランドホッピングが始まる。


加計呂麻島から朝日が。
まだ暗いうちからコーヒーを一杯。


いざ請島水道横断へ。
海峡を渡るには絶好の天気。


いまいた浜を見返すと、なんとも美しい海。


請島〜ハンミャ島〜そして与路島へ横断。8時過ぎに加計呂麻島の風崎をでて、気がつけば10時30分ころには与路島へ到着。途中の海が深々として青かったこと。さらにハンミャ島近くは小潮にもかかわらず川のように流れていました。大物や大型のサメなんかも普通にいそうです。


初めて上陸した与路島にて。気合の入ったお宅を発見。
石垣が特徴的です。しかし静かです。


まず通りに人影はありません。


郵便局発見。ちゃんとATMもあります。


心地よいがジャマルの日陰を通り港へ。


港では翌日の舟漕ぎ大会の準備で賑わっていました。


「明日くればよかったのに〜」。と島の方々に言われ、
名残惜しく島を後に。舟漕ぎの練習に熱が入ります。


賑わう港を後に向かいのハンミャ島へ。
大きな白砂の坂が目印です。


一度は上陸をと思い、とりあえず上陸。ここでキャンプをするには少し心もとない狭さ、そして風の強まりを警戒し、再び加計呂麻島へ帰って行くことに。


お昼はハンミャ島で軽くパンをかじり、一気に加計呂麻島へ。
北西だった風が翌日には南東へ変わります。風を避ける場所、
西阿室の近くへ上陸。大きな砂浜に圧倒されます。


とにかく白い砂。


気がつけばもう3時。お昼とおやつを兼ねて軽くサラダパスタ。


日も暮れてきたので再び赤ワイン登場。
無人島の眺めを肴に、至福の夕べ。


須子茂離(すこもばなれ)に沈む夕日。
穏やかな夕焼けは最高のリラックス。


強まりそうな風を考えつつ、
気がつけばぐっすりテントで眠りにつきました。
明日は一気に北上します。

「目が覚める碧さ 無人島の神秘」へ続く。






  

Posted by gon at 17:00Comments(0)キャンプツアー

2016年05月07日

加計呂麻島のその向こうへ


私は奄美大島を初めて知ったのは22年前。まだぴよぴよの学生でした。その時から憧れていた加計呂麻島のその向こうへ。いつも加計呂麻島一周キャンプのリクエストを受けるのですが、移住して9年間、すべて悪天候で大島海峡からでられなかったのです。何度海峡内のキャンプでしのいだことでしょうか。そして2016年ゴールデンウィーク。何が起きたのか、

「加計呂麻島のその向こう」 が、ついに微笑んでくれたのです。

当初は空港付近の節田から南下し、太平洋沿岸を4泊ほどして大島海峡へ入る予定でした。しかし風向きが途中から逆転する予報に頭を悩ませます。初日は北風強く、翌々日から南風に逆転すれば、東シナ海にいても太平洋にいても荒れてしまう。どうするか…。そしてぎりぎりになって考案したのが、今回のゲストもまだ漕いだことのない加計呂麻島の外洋側を南下して北上するコースでした。かなり大胆な行程でしたが、ダブルカヤックで行くということもあって決行を決意。その時を迎えます。

4月29日 北の風やや強く うねりの体感は2m〜4m 小潮


三連立神を望む場所から出発。


こんななか、奄美大島の最西端の西古見をスタートしました。湾内にはいつもの三連立神。進むに連れ、山から吹き降ろす強い北風が背後を押してきます。やがて島影から完全に外洋に踊りだすと、驚くような大きなうねりに変わりました。かつて徳之島から奄美大島へ単身漕いで渡った時が思い出されます。おそらくゲストはおっかなびっくりだったことでしょう。しかしダブルカヤックへの信頼と、私の経験から落ち着いて誘導していきます。江仁屋離にせまると海底が浅いため、いっきに波が高く荒々しくなります。潮流も加わっているのです。できるだけ深い場所をと思い、大きく西側へ回りこんでいきました。そして無人島の須子茂離(すこもばなれ)と加計呂麻島のまっただ中を南下していきます。岸に近づけばさらに危ないので、できるだけ海峡の中央をいきます。ふと、巨大な何かが近くの水面に現れました。クジラかと思ってみているとどうも動きがおかしい。見えている部分だけで2mちかい。私はとっさにオサガメだとおもいました。ヒレがみえたので亀だとわかったのです。突如、顔を出し目があいました。それは普通のアオウミガメだったようです。それにしても巨大なウミガメでした。あの大きなうねりの中を逆流して泳いでいくほどたくましい。

やがて飛ぶように進んでいき、加計呂麻島の伊子茂湾へ入ります。西阿室の南、風崎(かざき)を回りこんだら嘘のように波がなくなり、静かでした。ようやくほっとひといきついて上陸できました。実に午前9時に出発し、3時間ほどでの上陸でした。かるくオープンサンドでお昼を済ませます。もうこの日はここでキャンプです。のんびりと夜の準備を始めました。


伊子茂湾の中でようやく一息。



キャンプサイト前の海。左は加計呂麻島。右は請島。穏やかです。
小さなサンゴが沢山芽吹いていました。これからが楽しみです。



ゆっくりとした心地よい天候のなか、
冷えた赤ワインでまずは乾杯!


夕飯の仕込み開始。


初日の夜はキャンプの王道、カレー。
これがシンプルですがうまいのです!


夜はいい気分で飲み続けるとお思いでしょうが、一日中漕いでつかれると午後8時には寝てしまうのです。そして朝5時頃に起きてさわやかな朝を迎える。なかなかこんな健康的なリズムは都会の休日では味わえません。キャンプで爽やかな朝日、みにきませんか? 

やがて請島のあかりを見つめながら、
キャンプサイトが闇に包まれて眠り、東から朝日が昇ります。

「離島へ、アイランドホッピング」 に続く




  

Posted by gon at 19:39Comments(0)キャンプツアー

2015年11月25日

北風を背に南下する


夜中のうちに風が南から北に変わった。そしていよいよ晩秋の奄美らしい、少し肌寒くて乾いた空気になってきた。電話が通じない区長さんの代わりに売店のおねえさんに挨拶をして芝を後にする。またどこかへ旅立つという船出の瞬間はいつも期待とひとかけらの切なさを感じさせる。さあ、出港だ。またお世話になってしまった芝集落を眺めながら、北風を受けて南下するコースへと舵をとった。


出航前、北からの風が冬の気配を感じさせる。


まばゆい朝日。大島海峡を悠々と南下。



マグロの養殖が盛んな湾を横断すると、突然海が緑色になり、そして人工的というか、なんとも気持ちが悪い濃い匂いが立ち込めていた。おえっと気分が悪くなりながらようやく「養食臭」がなくなるところまで来るとほっとする。それにしても養食の海への影響はすごいものだ。餌、糞尿、飽和状態などからくるのだろう。養食をしていない隣の湾の爽やかさとの違いでその影響の大きさがよくわかる。


昼にさしかかり、古仁屋で上陸してお昼に。なにわ食堂へかけこむ。350円のやきそば、400円のちゃんぽんなど、昭和の懐かしい感じだ。が、肉がまるで入っていないことにゲストは愕然。なるほどと、その値段の理由をかみ締めることに。だけどそれでも、肉がなくても、つぎつぎお客さんが入ってくるのだ。しかしもしもテーブルにアンケート用紙があったなら、ことごとく「値段上げてもいいから肉いれて」「もっと肉食いたい」と書かれそうである。

そして温かな晴れ間のなか、出発した海岸に到着。3泊4日の旅は終わった。以前の空港近くから南下し、大島海峡まで外洋を漕いできたメンバーだったので距離は物足りなかっただろう。しかし場所場所の探索はいままでになくゆっくりとした行うこととが出来た。それにしても夏も秋も天気の関係で大島海峡内でのキャンプ。そろそろ外洋に踊り出したいと思ったのはゲストも私も同じだろう。来年は大いに外洋を渡る旅をしたいものだ。


  
Posted by gon at 10:25Comments(0)キャンプツアー

2015年11月24日

またのご縁か 芝集落


左後方からカヤックのデッキを洗っていくほどの波が打ち付ける中、進路をデリキョンマ崎に向ける。風、潮の流れがぶつかって波を一層高くしているようだ。昨夜の雨が嘘のように日射しは背中を暑くし、吹き当たる南風がちょうどいい涼しさだ。やがて南風を避けるように回り込んだ岬の内側は嘘のように静かだった。


まわりこめば南風をブロックする地形の恩恵。しかしあのフェリーの波は海岸にチューブを巻いて襲ってくる。油断は禁物である。午前9時30分ごろになぜ方面から大島海峡に入りってくる。できるだけ岸より、水中のサンゴなど覗きながら進む。上がれそうな浜、キャンプに良さそうな浜と、探索はそれだけで楽しい。上空の雲は勢い良く南から北へ向かっていく。あれにグライダーででも乗れば一気に奄美大島の湯湾岳辺りまで飛べそうだった。


午前中についた芝集落。とにかく今回はゆっくり探索がキー。


11月だが夏模様の芝海岸。


美しい青を湛える芝の海。水中も素晴らしい。


予報によれば南風は午後から一層強まり、進行を妨げることがわかる。躊躇なく芝へむかい、午前中には上陸。前線が今夜には頭上を越えて南下する。その際の嵐を警戒し、おとなしく芝集落の区長さんに連絡をいれて公民館の宿泊をお願いする。夏にお世話になり、売店の方や近所の方などとも顔見知りになっていたのだ。こんなときそういう親しさは心強い。

今回ゲストの一人が、海に出てしまってからテントのポールがないことが発覚。まさかのテントロスショックに遭う。やむなく私のとなりで、タープの下で睡ることになった。それも慣れないせいで、顔に風が当たると目が覚めてしまい、おまけに前日はあの深夜の雷雨。公民館泊はそんなゲストの寝不足による体調不良も考慮に入れてのことだった。


お世話になった芝公民館。毎度ありがとうございます。


そしてシャワーを浴び、静かな室内でゆっくり眠り、鋭気を取り戻して大島海峡を南下していくのでした。快眠はキャンプの継続に関わりますので非常に重要です。タープの下で眠り慣れるまでは私もつくづく思いました。やがて、嵐でタープに連続びんたされても眠っていられるようになります 笑 。  
Posted by gon at 18:39Comments(0)キャンプツアー

2015年11月23日

タープのしたで豪雨体験


辺りもすっかり暗くなり、ゲストも床につき、私一人、焚火の番をしていたときでした。夕方から広がってきた周囲の積乱雲が妙に気になります。雨雲レーダーで見る限り、黄色や赤の雲が近くにはあるが自分たちの場所は通らず、天気予報も「くもり」で雨も0%。ほんとうか?と思い、念のため、朝使う焚き木を濡れないように確保しておくことに。

頭上は星空だが、周囲は稲光…。徐々に包囲されていくような一抹の不安をいだきつつ、不思議な空間のもと、火の明かりをみつめていました。


何か安心してしまう焚火の明かり


夜9時になろうかという時、再び雨雲レーダーをみると、さっきとはガラッと変わっていました。どうもこの辺り一帯も雨が通るようです。これは急いで寝ようと思い、タープの下にはいり、寝る支度を整えました。だいぶ夜も深まった頃でしょうか、顔に微かな風を感じました。雨の気配です。突然、目が覚めるほどの眩しい閃光が周囲を照らし、凄まじい雷鳴が。そして天井の海の栓が抜けたのかという程いっきに激しい雨がふりつけてきました。以前の豪雨災害が思い出されるほどの凄まじさ。幸い横風無く、タープは見事に私達を守っています。呆然とみつめることしばし。真上にものすごい雷雲があるようです。閃光が瞬く度、目の前の海、遠くの山々、キャンプサイトの細部まで昼間のようによくみえました。直後、一段と雨が激しさを増します。


豪雨をしのいだタープ。そして干していたあらゆるものが
見事に塩抜きされていました。


後で知るのですが、近くの徳之島は50年に一度という凄まじい雨だったとか。その一部の雨がここにもきたのです。その凄まじさはもはや災害レベルでしたが、幸い速いうちに通過したようで、明け方には星空となっていました。はじめてデビューしたタープはその性能を見事に証明してくれ、安心して雨を凌ぐことが出来ました。それにしてもこの数日の天気の変わりやすさ。

女心と秋の空ということわざにもうなずけます。


気を取り直し、次なる地へ。南風が吹き抜ける薩川湾。

この日、南風が強まりそうな気配に、加計呂麻島北方の「芝」へ急ぐことにしました。「芝」は夏に来た時、公民館に泊めさせて頂いた思い出の場所です。そして一同は荷造りをおえると、荒れ始めた薩川湾を一気に渡り、北上していくのでした。

続く  
Posted by gon at 08:03Comments(0)キャンプツアー

2015年11月21日

秋晴れの加計呂麻島へ

11月も半ば、妻の体調も安定しているようなので久しぶりにキャンプツアーへ出かけることとなりました。難病の妻と登校拒否の息子を置いて出て行くことに一抹の不安を抱えながらも、大丈夫と信じて行くことも大切な気がします。そしてでかけた大島海峡は夏のような日射し、美しい海、ときに嵐など、様々な顔で応えてくれました。半袖短パンで終始いられた温かい秋の奄美の様子、お楽しみ下さい。


古仁屋の対岸、スリ浜付近にて初日のキャンプ。今回はゆっくり探索しましょうとのリクエストを頂いたいましたので、早めに上陸してゆっくり泳ぐことに。一周や横断に夢中ですと、良い場所を通りすぎていることを改めて教えられる貴重な発見の数々でした。カヤックの底が破損していて浸水し、応急処置で前進を断念したのですが、その御かげか、ゲストも驚く水中の美しさを体験していただくことが出来ました。ケガの功名?


大島海峡を臨み、今回デビューした新タープ。モスグリーンが美しい。


夜は台湾風ひき肉の混ぜご飯。つまみのようで酒が進みます。


美しい朝がキャンプサイトを照らす。


2日目の朝、次なるビーチを目指して大島海峡に踊りだす。


途中、見事な枝サンゴをシュノーケルで堪能し、さらに大島海峡を北上。明るいうちに上陸してまたもやゆっくりスイム。ゲストがハタを仕留めてくれました。


ネバリの炊き込みご飯ネギぶっかけ。美味かったです!


焚火を眺めながらおししいお酒が進み、暮れなずむ海岸。しかし増えてくる雲はあちこちで閃光をはなち、遠くからは雷鳴がとどろいていました。天気予報ではこの付近はそれほどのことはないようでしたが、雨雲レーダーをみるとただならぬ気配。このとき、まさか直ぐ近くの徳之島を50年に一度の凄まじい雨が襲うとは想像できませんでした。そして瞬間的とはいえ、私達のキャンプサイトも災害レベルと思われる豪雨に襲われるのでした。

続く。




  
Posted by gon at 20:41Comments(0)キャンプツアー